東 京 8月6日~8日 8月6日、成田空港に、米国からアナベル・パクさんと英国のキャサリン・バラクロウさん、台湾の陳(ルビ:チェン)桃(ルビ:タオ)さん(被害女性)と頼(ルビ:ライ)采(ツァイ)兒(アール)さん(台北市婦女救援基金会)たちが次々と到着。
翌7日午前10時に、海外ゲストと通訳、および東京・大阪の「心に刻む会」メンバーは、千葉景子議員と谷岡郁子議員に付き添われ、横路孝弘衆議院副議長公邸を表敬訪問した。
客間の大きな長テーブルを挟み、まず陳桃さんが横路副議長に話し始めた。彼女は日本語が達者だが、話す段になるとつらかった当時を思い出し、喉をつまらせ、涙を拭きながら、登校の途中、日本人警官に学校まで車に乗せて行ってやると言われたこと、そのままインド洋上のアンダマン島まで制服姿のまま連れて行かれ、台湾人マダムが管理する建物の部屋をあてがわれた話。便所に置いてあった消毒用のクレゾールを飲んで、二度自殺をはかった話……。
横路副議長は、「国民を代表することは出来ないが、日本国民の一人として、深くお詫びします」と述べ、最近ポーランドを訪問したが、ドイツとポーランドが共通の歴史教科書を作っていることに感動したことなどを話した。
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次に江田五月参議院議長の公邸を訪問。陳桃さんは、話し始めるとすぐ感情がこみ上げて絶句、しかしなんとか持ち直して話し終えた。
江田議長は、日本の植民地だった台湾で、女の子が路上で日本の警官に連れ去られるというのは強制罪にあたると述べ、日本軍の関与の仕方などに力点を置いてアピールする必要があると述べた。
さらに、最近東チモールを訪れた際に先方の政府高官から、「慰安婦」問題が未解決であるという話が出たことを紹介、議長である自分がどうこうするということは出来ず、国会の現在の勢力関係ではなかなか解決は難しく、やはり勢力関係が変わらないと無理という話で終了。
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午後は、参議院議員会館第一会議室において院内集会が始まった。国会閉会中の夏休みといえば、院内集会には最悪のコンディションだが、それでも、福島みずほ議員、近藤正道議員(以上社民党)、谷岡郁子議員、牧山ひろえ議員(以上民主党)の4名の議員が出席。出席してほしかった議員の秘書はほぼ漏れなく出席してもらえた(17名)。一般参加者もかなり多く、定員100名の会場がほぼ埋まった。
司会の柴洋子さんが開会を告げ、谷岡郁子議員が開会挨拶。今年追求してきた、欧米の国会議員の来日を実現できなかった事情について、招請作業にあたっていた上杉聰さんから説明がなされたあと、フィリップ・デ・ヒーア駐日オランダ大使が挨拶に立った。
大使は、自分の父親や叔父が戦時中日本軍の捕虜になるなどして大変な目に遭った話をし、安倍前首相の発言が反響を呼び、オランダやEUの決議となったこと、法的には戦後補償問題は解決したことになっているが、「慰安婦」問題について日本政府はきちんとした対応をする必要があると語った。
ついで、アメリカとヨーロッパの議会決議をかちとったアナベルさんとキャサリンさんの話へ移った。アナベルさんは、米下院に決議を働きかけた市民団体「121連合」とは、お金を貰って動いているロビイストの団体ではなく、ふつうの市民が集まって無償で活動している団体であることを強調。
そして、それまで成立の見込みがあるかどうかも分からなかった「慰安婦」決議が、安倍前首相の「広義・狭義の強制連行」発言が伝えられるや、世論は爆発的に動き出し、「自分も121連合に加わりたい」という連絡が全米各地からひっきりなしに飛び込んできたという。
キャサリンさんは、アムネスティが2005年に女性の人権の問題を重要課題として掲げて以来、現代の戦争、紛争時の性暴力問題の解決にとってネックになってきた日本の「慰安婦」問題が未解決である事態をなんとかしようと考えるに至った経緯を述べた。
そして、日本がはっきりと公的に謝罪し、ふたたびそのような犯罪を犯さないことを誓うならば、世界各地の戦場で今も激発している女性に対する暴力に対して、大きな抑止力になると述べた。
最後に、東京集会事務局の谷川が、この集会は第9回日本軍「慰安婦」問題アジア連帯会議の協賛で開かれ、11月に開かれる同会議のプレイベントでもあり、「慰安婦」問題の解決を実現したいと述べ、閉会の挨拶とした。
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8日午前中は、ゲストと一緒に靖国神社を見学、東京集会代表の西川重則さんが、大村益次郎の銅像や、日露会戦のレリーフをめぐらした石灯籠などを説明し、靖国神社の問題の所在について、理解を深めていただいた。
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8日夜6時30分から、目黒区民センターホールで東京集会「日本は忘れても世界は知っている!『慰安婦』問題の解決を求める2008平和のための証言集会」が開かれた。参加者は約70名。
開会挨拶で西川重則さんは、「私たちは集会を繰り返してきたけれども、今年こそ成功裏に終わらせたい。そしてこの国の政治を変革し、所期の目的を達成したい」と発言、犠牲者・被害者の痛み、悲しみ、憤りに思いを馳せ、心に刻み、それぞれの立場で、一分間の沈黙の時を持つことを呼びかけた。
アナベルさんやキャサリンさんの話は時間をゆったり取って、ほぼスピーチ原稿どおり話してもらえた。陳桃さんも、涙の場面はあったが、全般的に落ち着いて話すことが出来た。アナベルさんとキャサリンさん、頼采兒さんの話には会場からの質問時間を取った。
頼さんは、台湾の被害者数は、元々2,000人とも言われてきたが、現在生存する被害者は20人を切っていると話され、問題解決が焦眉の課題であることを訴えた。内容的には、じっくり話を聞ける良い集会となった。 (谷川 透)

横路衆院副議長(左から5人目)と公邸中庭で

江田五月参院議長(中央)と公邸応接室で

駐日オランダ大使(左)の熱心な訴えに皆が聴き入った

国会休会中にもかかわらず約100人が参院議員会館に集まった(8/7)